令和6年9月
今日は、1つ君たちに発表があります。
昨年の12月8日に、稲垣先生から創立125周年記念事業で建設する新校舎の名称を公募するという告知がありました。公募の対象は君たち在校生、同窓生、教職員でしたが、締め切りの今年1月13日までに延べで実に242案が寄せられました。
新校舎は、生徒諸君の学び、そして学園の未来に大きく貢献することとなります。その名称の公募に対してこれほど多くの応募があったことを、とてもうれしく思っています。
ただ、その中から1つに決めなければなりません。昨年度末までに、教職員による創立125周年記念事業運営委員会において2次選考まで行われていました。今年度に入ると、生徒会の会長、中高副会長の計3名も加わった新校舎名選考委員会が組織され、3次選考、そして7月10日には最終選考が行われました。選考に半年以上かかったことになりますが、それほど甲乙つけがたい案が多く、時間をかける必要があったということです。
では、その結果決まった新校舎名とは何か。
それは「白雲館」です。
「白雲」は「白い雲」と書きます。
最終選考が行われたのは7月10日なので、1学期終業式のときには発表できる状態にあったのですが、4年生が海外研修で不在だったので、本日の発表となりました。
新校舎には、技術室、美術室、グローバルルーム、ICTラボ、多目的ホールが入ります。ただし、技術室、美術室という言葉は耳で聞いたときに判別しにくいところがあります。そこで、それぞれの教室が果たす役割への思いもこめて、技術室は「メイカールーム」、美術室は「アトリエ」と呼ぶことになりました。またICTラボは、ラボという名にふさわしい最新の設備を整えます。その他にも、駐輪場や高校の一学年のクラス数にも相当する6つの面談室を備えます。
なお、新校舎の竣工後、現在の美術室、ICTラボの前身であるコンピュータ教室は、どちらも自習室へと改装する予定です。
メイカールーム、アトリエ、ICTラボをはじめ、新校舎「白雲館」は、君たちにとって創造的な学びの場、君たちが君たちの知性を、新たな価値を創造できる、そんな知性へとたかめる場となります。
禅の世界において「白雲」は、執着のない自由無碍(じゆうむげ)なことのたとえとされています。「白雲自在」という言葉もあります。空に浮かぶ白い雲は、風とともに流れ、消えては現れ、何の滞りもなく自由自在に去来します。そして、新たな価値は、執着や思い込みを離れた自由自在な心によって創造されます。
VUCAと言われる、予測困難で不確実、複雑で曖昧な時代です。それだけに、今まで以上に新たな価値の創造が求められる時代となります。
「白雲館」竣工の暁には、これを主体的、協働的に活用して、君たちの創造性を存分にたかめてほしいと思っています。
最後になりますが、創立125周年記念事業のために、1学期の終業式で三心会様、同窓会様より、会としてそれぞれ1000万円、5000万円という多額のご寄附をいただきました。その他にも、個々の卒業生や卒業生の保護者の皆様、曹洞宗や曹洞宗御寺院の皆様、企業の皆様、法人役員の皆様、そして現教職員、旧教職員、そのご家族の皆様からも続々とご寄附をいただいています。すでに竣工したグラウンドの人工芝化工事、来年早々から始まる新校舎「白雲館」の建設は、こうした皆様から、学園、そして学園に学ぶ生徒諸君への温かいお気持ちがあってのことです。ぜひ、そのことに対する感謝の気持ちを大切にしてほしいと思います。