臘八摂心(ろうはつせっしん)

若き日のお釈迦さま、ゴータマ=シッダールタは、人生の疑問や悩みを解決 するため、シャカ(釈迦)族の王子という地位も家族も捨て、修行の道を選ばれました。各地の修行者を訪ね歩き、さまざまな苦行も体験されました。
しかし、王子だった時代に体験した極端な快楽を求める生活も、厳しい苦行 も、共に真理を求めることからは遠いものだと気づき、6年間に及ぶ苦行を離れ、真理を求めて菩提樹の下で坐禅を組まれました。12 月1日のことでした。この坐禅は8日間にも及びました。
12 月8日の早朝、暁に明星の輝くのを見て、多くの困苦に打ち勝ち人生の 真理を悟り、一大確信を得られてブッダ(仏陀・目覚めた者)となられました。お釈迦さまが 35 歳の時のことでした。私たちは尊敬の意味をこめて、シャカ 族出身の聖者という意味の「釈迦牟尼」(釈迦牟尼世尊、略して釈尊)または「お釈迦さま」、あるいは「ゴータマ=ブッダ」とお呼びしています。
世田谷学園では、そのお釈迦さまの修行を偲 しの び、そのお姿とわが姿勢を同じ くし、そのお悟りの心を求めて早朝坐禅会を行っています。今から 50 年以上 前、戦後間もない頃に有志の生徒と教員によって始まった伝統ある行事です。